日本青年会議所石材部会の国内研修で瀬戸内の石文化を巡る研修に参加させて頂きました。
4回にわたり内容をご紹介したいと思います。
最初に尾道駅より乗船して北木島を訪れました。
かつて採石で栄えた島は最盛期には6000名いた島民ですが、
現在は約900名の方が暮らしているとの事です。
車で数分移動して、石材部会の鶴田先輩の採石場に到着しました。
ここでは北木石が採掘されます。
安全柵がなくまさに崖っぷちです。
北木石は皇居の向かい明治生命館のファサードに使用されていて、
小叩き仕上げの石肌は夕日に黄金のように輝き、
荘厳な建築としての記憶があります。
その他靖国神社の大鳥居は北木石だそうです。
つまり大きい原石が取れるという事です。
大阪城の石垣には巨石ランキングがあって、
上位を占めるのも北木石だと鶴田先輩は自信満々でした。
ここで地元の小学生が半纏をきて石切歌を披露してくれました。
石頭とのみで石に穴をあけるリズムに合わせ、歌を歌うのですが、
この伝統文化に幼少の頃に父に抱えられて一緒に石を叩いた記憶が重なり、思わず目頭が熱くなりました。
当時はこの歌が上手な職人は周りの作業が捗るために人気があって、よくスカウトされたそうです。
採掘された原石は工場に移され、加工されて製品になっていきます。
次回は北木島の加工メーカー、栄龍石材さんをご紹介致します。
北木石データ:比重2.63(g/cm3) 吸水率0.17(%) 圧縮強度158.73(N/cm2)
よく錆が出るイメージがありますが、京都辺りだとその錆がいいそうです。
確かに50年経った石塔を多磨霊園で見ますが、古色を帯びて錆の味わいがあります。
(有)榎本石材
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